memorandum

弁護士が関心事等を書き留めるブログです。

証拠開示のデジタル化実現に向けて


www.change-discovery.org

刑事弁護人として高名な高野隆先生や後藤貞人先生が代表となって、証拠開示のデジタル化の実現に向けた活動をされています。微力ではありますが、私も一弁護士として賛同署名させていただきました。

かねてから刑事裁判におけるデジタル化の著しい遅れは指摘されていたところでありますが、要望書にも記載されているとおり、現在、政府は国家デジタル化推進方針を表明しているところですので、まさに絶好のタイミングかと思います。「刑事裁判は自分には関係ない」と考える方も少なくないように思われますが、紙をコピーするために多額の費用を要していることや、裁判手続が著しく遅延していること等は、結果的に国民全体での税負担につながる事柄ですので、決して他人事ではないとも思われます。

デジタルネイティヴが増加し続ける今後の社会においては、刑事裁判の証拠開示にとどまらず、裁判手続全体がデジタル化していくこと自体、その利便性やアクセシビリティの向上に直結するものであって、もはや避けて通ることはできないでしょう(他方で、デジタルに不慣れな高齢者の方々などが不便・不利益を被ることのないように、裁判手続のインクルーシヴなデザインも必須になると考えます)。日々の弁護業務や活動等を通じ、よりよい司法の構築に少しでも携わることができればと思います。